超距離空間の間の連続射
Last-modified: Fri, 16 Jun 2017 11:44:21 JST (2478d)
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第11章 連続写像へ戻る。
ここでは一般超距離空間の間の連続射という概念を導入します。このページのタイトルは「超距離空間の間の連続射」ですが、一般超距離空間は超距離空間の一般化なので何ら問題はありません。
定義1(連続射の定義) |
\( (X,(P,\leq_P),d_X) \)と\( (Y,(Q,\leq_Q),d_Y) \)を一般超距離空間とする。\( (X,(P,\leq_P),d_X) \)から\( (Y,(Q,\leq_Q),d_Y) \)への連続射とは写像\( f \colon X \to Y \)であって、任意の\( x \in X \)と任意の\( \epsilon \in Q \setminus \{ 0_Q \} \)に対しある\( \delta \in P \setminus \{ 0_P \} \)が存在して任意の\( x' \in X \)に対し\( d_X(x,x') < \delta \)ならば\( d_Y(f(x),f(x') ) < \epsilon \)となるものである。\( (X,(P,\leq_P),d_X) \)から\( (Y,(Q,\leq_Q),d_Y) \)への連続射\( f \colon X \to Y \)を単に\( f \colon (X,(P,\leq_P),d_X) \to (Y,(Q,\leq_Q),d_Y) \)と略記する。 |
ここで、連続射の合成もまた連続射であることを確認しましょう。
演習2(連続射の合成に関する演習) |
\( (X_0,(P_0,\leq_0),d_0) \)と\( (X_1,(P_1,\leq_1),d_1) \)と\( (X_2,(P_2,\leq_2),d_2) \)を一般超距離空間とする。任意の連続射\( f_{0,1} \colon (X_0,(P_0,\leq_0),d_0) \to (X_1,(P_1,\leq_1),d_1) \)と\( f_{1,2} \colon (X_1,(P_1,\leq_1),d_1) \to (X_2,(P_2,\leq_2),d_2) \)に対し、写像としての合成\( f_{1,2} \circ f_{0,1} \colon X_0 \to X_2 \)が\( (X_0,(P_0,\leq_0),d_0) \)から\( (X_2,(P_2,\leq_2),d_2) \)への連続射となることを示せ。 |
連続射が合成で保たれる性質であることから、一般超距離空間の圏を構成することが出来ます。
定義3(一般超距離空間の圏の定義) |
\( \textrm{Set} \)を下部構造に持つ圏\( \textrm{GMet} \)を、対象を一般超距離空間とし、射を一般超距離空間の間の連続射として定める。 |
一般超距離空間は一般超距離位相によって位相空間とみなせましたが、一般超距離空間の間の連続射という概念と整合的になるように、(一般超距離空間に一般超距離位相を与えたものとは限らないような)位相空間の間の「連続写像」という概念を導入することが出来ます。
- 写像の連続性
- 位相の正規性
- ウリゾーンの補題
- ティーチェの拡張定理