はじめに

Last-modified: Sat, 13 May 2017 17:56:54 JST (2529d)
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近年\( p \)進には多くの注目が集まっており[要出典]、整数論はもちろんのこと、代数、幾何、解析、その他の数学の広範な分野、更には数学以外の自然科学においても活躍が期待されています[要出典]。それに伴い\( p \)進の研究は世界中で盛んに行われており[要出典]、日々新たな理論が生み出されております[要出典]。このEncyclopedia of \( P \)-adic Numbersは、\( p \)進理論の導入について詳細に扱うことで、今後\( p \)進を志す人々の助けになることを目的として設立されました[要出典]。有志の編集者達の協力[要出典]により少しずつ内容を充実させていく予定[要出典]ですが、個々人の負担は小さくない[要出典]ため、あまり更新の頻度については期待しないで下さい。また、編集者共々細心の注意を払って[要出典]編集を行いますが、記載した内容に誤りが含まれる可能性は十分にございます。特に数学的事実以外の言及に関しては、編集者の主観に左右される記述も現れる可能性が高くなります。その点に留意した上で、参考程度にご利用下さい。なお、Encyclopedia of \( P \)-adic Numbersでは\( p \)進についてしか詳細を扱いませんが、関連しうる分野については色々な方々が無料で公開して下さっているWeb資料を参考文献にてまとめさせていただきましたので、興味を持った方はそちらも適宜参照して下さい。

以下に、Encyclopedia of \( P \)-adic Numbersの内容を説明します。まずこのはじめには3つの部分章からなります。まず準備1では第1章に入る前の準備段階として\( p \)進数の導入を行います。ただし\( p \)進数論を含む近代数学の大部分は公理的集合論という「数だろうと関数だろうと図形だろうと数学的対象を全て集合の言葉で記述する立場」での理論立てが行われおり、従って\( p \)進を厳密に学ぶ上では公理的集合論を避けて通ることが少々難しくなっております。しかしながら、\( p \)進のアイデアや利点、特徴を理解する上では素朴に\( p \)進を捉えることも可能だと思われますので、まずは公理的集合論を用いないで(代わりにいくつかの基礎事実を暗々裡に仮定して素朴に)\( p \)進数を導入します。その後、準備2で公理的集合論の意義や必要性を説明し、最後に準備3にて数学でよく現れる言葉使いについて言及し、はじめにを締め括ろうと思います。

続く第1章では準備1に引き続き、公理的集合論を明示的には用いない素朴な立場で\( p \)進数の定式化を3つの方法で行います。そして第2章からようやく公理的集合論に踏み入り、第4章と第5章でようやく第1章で提示した定式化を公理的集合論の言葉に翻訳されます。こうして近代数学的な\( p \)進数の定式化が完了します。

とはいえ公理的集合論の言葉で表すことで、\( p \)進数の理解や計算が簡単になるというわけではありません。近代数学における公理的集合論の役割は、あくまで厳密な共通言語の1つであったり便利な実装の1つであったりする、というものだと考えています。そのため、公理的集合論で行き詰まって\( p \)進数が学べないというのは本末転倒ですので、例えば「数学の論文を書くために共通言語ないし実装の習得が差し迫って必要だ」というわけでなければ、公理的集合論を扱う第2章~第5章を飛ばしても問題ないような構成にしていくつもりです。安心して第6章へ進んで下さい。