コラム ∈-降鎖列
Last-modified: Fri, 28 Apr 2017 12:09:47 JST (2548d)
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点列の定義へ戻る。
正則性公理へ戻る。
ここでは抽象的な点列概念と置換公理とツォルンの補題を用いて正則性公理の補足をします。置換公理とツォルンの補題と正則性公理は点列の定義の時点より後に課す公理で、詳しくは以下を参照して下さい。
- 置換公理
- 選択公理
- コラム ツォルンの補題
- 正則性公理
それではまず用語を準備します。
定義1(\( \in \)-降鎖列の定義) |
\( X \)をクラスとする。自然数\( n \in \mathbb{N} \)に対し、\( X \)の長さ\( n \)の\( \in \)-降鎖有限列とは、\( X \)の長さ\( n \)の有限列\( (x_i)_{i \in n} \)であって、任意の\( i \in n \)と\( j \in i \)に対して\( x_i \in x_j \)を満たすもののことである。また、\( X \)の\( \in \)-降鎖列とは、\( X \)の点列\( (x_i)_{i \in \mathbb{N}} \)であって、任意の\( i \in \mathbb{N} \)と\( j \in i \)に対して\( x_i \in x_j \)を満たすもののことである。 |
点列概念とは無関係に主張される正則性公理とは一見縁がなさそうに見える\( \in \)-降鎖列ですが、ツォルンの補題の下で正則性公理と同値な命題を与えます。以下では点列の定義までに課された公理*1とツォルンの補題を課します。
命題2(正則性公理と集合に対する\( \in \)-降鎖列の関係) |
以下は同値である。 |
(1) 正則性公理が成り立つ。 |
(2) 任意の集合\( X \)に対し、\( X \)の\( \in \)-降鎖列は存在しない。 |
証明
(編集中)
Chromeの×ボタンを押してしまったので心が折れました。
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また、以下では更に置換公理を課します。すると正則性公理と集合に対する\( \in \)-降鎖列の関係から即座に次が従います。
系3(正則性公理とクラスに対する\( \in \)-降鎖列の関係) |
集合全体のなすクラスを\( V \)と置く。以下は同値である。 |
(1) 正則性公理が成り立つ。 |
(2) 任意のクラス\( X \)に対し、\( X \)の\( \in \)-降鎖列は存在しない。 |
(3) \( V \)の\( \in \)-降鎖列は存在しない。 |
以上で抽象的な点列の議論に慣れていただけたと思います。